校長日誌

いしずえ181


■先日数年前の手帳を見ていたら、9月の朝礼の話のメモが出てきました。それは、
小学生向きの童話の引用です。『王様とお弟子さんの行列を出迎える時、お金持ちは
千頭の馬に、二千樽の油を運ばせて大通りの左右に明かりをともしました。でも都の
はずれの少女は、行列を歓迎したいのに、明かりをともす台も油ももっていません。
もちろんお金もありません。そこで少女は自分の髪を切り落とし、それを売り、一番
安い明かり台と少しの油で明かりをともし、大通りのはずれで行列を待ちました。さ
て、行列が近づくと王様に良いところを見せようとしたお金持ちの明かりは、強い風
が、一つ残らず消してしまいました。でも少女のたった一つの明かりだけは、あたり
を昼間のように照らし、決して消えませんでした。』心をこめて用意した一灯を皆さ
んはどう思いますか?……もっとうまく話したかったなと、手帳を閉じました。
                           (9月27日飯田芳男)